コラム

嗅覚

写真はイメージ

もし、あなたの五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)の中でひとつを失わざるを得ないとして、それを自分で決められるとしたら何を選択しますか。

おそらく大部分の人は「嗅覚」を選択するのではないでしょうか。

それくらい普段の生活で必要とされている度合いが少ない感覚だということだと思います。もし、そうであるならば無意識のうちに、その感覚は感度が落ちていくのではないでしょうか。

昔は古くなった食べ物がまだ食べられるのか否かを嗅覚に頼って判別していました。その判断を間違えればお腹を壊すだけでなく、命に関わることもあったかも知れません。今は食品には賞味期限が明示されていますので嗅覚に頼って判別する機会が少なくなりました。その結果、人間の嗅覚はどんどん衰えていくのだと思います。

では、もともと備わっている「嗅覚」という感覚を磨いたらどうなるのでしょうか。おそらく嗅覚に付随してもともと持っていた能力を引き出すことにつながるのではないでしょうか。

嗅覚は、匂いを感じるだけでなく、その情報を脳の扁桃体(感情に関する部位)や海馬(記憶に関する部位)、前頭眼窩野(意思決定に関する部位)といった他の部位に伝える働きをしています。したがって、嗅覚を鍛えることは、これらの脳の部位を活性化し、その結果、ストレスに強い、記憶力が高まる、判断力が高まるなどといった効果が出るのではないでしょうか。

眠れない、気分がすぐれない、決断力がないなど言ったことを改善させる方向に働くのではないかと(専門家でもないのに勝手に)思っています。

では、嗅覚を鍛えるには、どうすれば良いのでしょうか。

使えばいいのだと思います。ご飯を食べる前など、あらゆる場面で匂いを嗅ぐといった習慣を付ければよいのだと思います。

もしかしたら、頭がスッキリするかも知れません。

 

日本語の「嗅覚」と言う言葉には、もうひとつの意味があります。

嗅覚の鋭い人だと言う場合のように、物事の本質を嗅ぎ分ける能力のことです。多くの日本人は戦後、意図的に平和ボケにさせられてしまったがために、この感覚が鈍っていると思います。今、我々日本人が早急にやらねばならないことは、本当の「嗅覚」を磨くことだと思います。

危機的状況であることに気づくために。

 

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