コラム

特別な空間(時空間)の存在(2)

前回、「特別な空間(時空間)の存在」で

空に浮かんで見える星は、数年前のその星の姿を観ている星もあれば、数億年前のその星の姿を観ている星もあります。つまり星の数ほどある星のそれぞれが全く異なった時間に存在している姿を今自分の前に見せてくれていることになります。

と言いました。ところが、もう少しよく考えた結果、これは必ずしも正しいとは言えず、今見ている星はその星の今現在の姿だとも言えるという結論に達しました。夜空を観る上では、ちょっとロマンチックではないのですが。

10億光年離れたところにある星があって、ある時赤から青に変わったとします。この色が変わったと言う事実は、光の速度で周りの空間に伝わっていきます。ちょうど水面に石を投げた時にできる波紋が広がるようにです。

10億年経って、その波紋が地球に到達すると同時に地球にいる観測者はその星の色が赤から青に変わった事実を目撃します。そう10億年前のその星での出来事を今観ていると言うのが前回のブログの内容だったのです。

しかし、これは必ずしも正しくありません。色が変わった瞬間に発生し光の速度で広がる先程の波紋の上をちょうどサーフィンをするかの如く波に乗って移動している人がいたとします。この人は、ずっと色が変わる瞬間を観ていることになります。そう、時間が止まっているのです。

また、このサーフィンをしている人より少し遅く移動をしている人がいるとその人は星の色が赤から青に変わった後の星の状態を遅回しで観るかの如く観ることになります。つまり時間が相対的に遅く流れていきます。逆にサーフィンをしている人よりも早く、この星から離れていく人がいたとする(波紋の広がる速度より早く離れていくとする)と赤から青に変わった星ではなく赤のままで、しかも時間が逆に流れていくことになります。波紋の少し内側から波紋を追い越すように動く場合には青くなった星の色が赤くなるように逆再生された状態を目撃することになります。そう波紋の外側にいる人は赤く観えて内側にいる人は青く見えています。

話を戻して波紋の上でサーフィンをしている人にとっては時間が止まっていて星の色が変わった状態が続きます。そして、そのサーフィンをしている人が地球時間で10億年かけて地球に到達したとしてもサーフィンの人時間では、今(時間が止まっているから)なので、サーフィンをしている人は地球で観測している人に対してもこれは今の出来事だと言うことになります。

いやいや、そんなことはなくて10億年前の出来事だろと思う人がいるかもしれません。

客観的に(ちょうど波紋の輪が出来る様子を少し離れたところから俯瞰して)観ている人は過去に起きた現象を見ていると感じるでしょう。しかし地球のようなある地点で主観的に観ている人にとってはその現象が起きるまでは色が変わることはわからず、今起きたことになるのです。

以前、「感性を磨きたい(1)」の中で、時間を川の流れに喩えた話をしました。その中で時間は「主観的に考えた場合には、過去から未来へ流れているように感じ、客観的に考えている場合には、未来から過去へと感じる」という話をしました。今回の話も見方の違いだけでどちらも正しいのかもしれません。

つまり、客観的に星空を観ている人にとっては、時間的に広がりをもった目の前の空間として、また主観的に星空を観ている人にとっては空間的に広がりを持った今現在の姿の空間として星空を捉えているのではないでしょうか。

世間一般的には客観的に観た状態(昔の星を観ている)として話がされているようですけれども、主観的に観ると遠くにある星も含めて、この宇宙空間の今の姿を観ていることになります。と言うことは、物理的に観ることが出来るかどうかは別として、理論上観ることが可能であれば宇宙の果ての今の姿を観ることも可能なのではないかと思います。

しかし、この宇宙は光の速さを超える速さで拡大しているとも聞きます。もしそうであれば、宇宙の果ては観ることができないと言うことになります。

でも、この客観的と主観的の2つの話は矛盾しているようにも感じます。おそらく両方が成立する考えがあるのだろうと思います。もう少し考えてみます。相対性理論を読み直さないといけないかもしれませんね。

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