朝、目が覚めると男の目の前に神様が立っていました。
お前にいいことを教えてやろう
え、何ですか?
その代わり
お前が、大切にしているものをひとつもらっていく
いや、それは困ります
どうしても失いたくないものがあるのであれば、それは除くとしよう
失いたくない大切なものを3つだけ選んでおきなさい
明日の朝、それ以外のものを、ひとつもらっていくとしよう
そう言うと神様は、どこかへ行ってしまいました。
さて、こう言われたら、何をその3つに選びますか?
話を続ける前に、ぜひ、あなたも考えてみてください。
選び終えたらつづきを御覧ください。
次の日の朝、神様が目の前に立っていました。
3つ選んだか?
昨晩、寝ずに考えたのですが
大事なものがたくさんありまして、とても3つに絞ることが出来ませんでした
そうか、それなら、わしが選んで、何かひとつをもらっていくことにしよう
そういうと、神様はどこかへ行ってしまいました。
男は、神様が何を持っていったのかわかりませんでした。
あれでもない、これでもない…。
次の日、目を覚ますと神様が目の前に立っていました。
神様、いったい何をもっていかれたのですか?
私には、まったくわかりません
わしは、何ももっていってはおらんよ。
それどころか、お前は失ってはいけない大事なものを
すでに失っておるよ
えっ
何でしょうか?
それは、「幸せを感じる心」じゃよ
すでに、お前は大切なものをたくさんもっておる
そのことが、どれだけ幸せなことか
それに気づいておらん
しかも、大切なものと言いながら、大切にしておらんではないか
男は、幸せは「なる」ものではなく「感じるもの」であることを
神様から教えられたのでありました。
あなたが選んだ3つの大切なもの
本当に大切にしていますか?
本当は失っては困る大切なものなのに、いつの間にか、それがあってあたり前の状態になっていて、そのことに気が付かないでいました。
そして、その大切なものを失って、初めてそれに気づき大切にしておけばよかったとなってからでは遅いと気が付いたので、自分への戒めも込めて物語風に書いてみました。