コラム

野鴨の哲学

野鴨の哲学をご存じでしょうか?

哲学者のキェルケゴールが提唱している哲学です。野鴨は飲まず食わずで何日も飛び続けることができる能力を持った渡り鳥です。その野鴨たちがデンマークのジーランドというところに降りたちました。そこには優しいおじいさんがいて、美味しい餌を野鴨たちに毎日毎日あげていました。

時が流れ、次の湖に飛び立つ時期になりました。その時、野鴨たちは考えました。毎日毎日、美味しい餌がもらえるならここに居てもいいかもしれない。そして、野鴨たちはそこにいることに決めました。二年が経ち、三年が経ち、やがてその優しいおじいさんは亡くなってしまいました。

野鴨たちは次に移動する時期になって他の場所に移ろうと思ったものの、飛ぶ力を失くしていて飛ぶことが出来ませんでした。しかも、運の悪いことに雪解け水がやってきて、他の鳥たちは逃げることができたものの、この野鴨たちは流されてしまいました。

これはキェルケゴールの「野鴨の哲学」と呼ばれる話です。何が言いたいかというのは言うまでもなく分かると思います。

日本という国は素晴らしい国であると思います。大きな争いもなく、見かけ上の平和が続いていると思います。日本人は何もしなくてもこの平和がずっと続くと思っています。しかし、世界はそのような国ばかりではありません。虎視淡々と侵略を進めている国もあります。取り返しが付かなくなる前に目を覚まさなければいけません。

我々日本の英霊の方々は命がけで戦って大事なものを守ってきました。しかし、今はどうでしょうか。与えられた平和に慣れてしまって飼い慣らされた鴨になってはいないでしょうか。

日本人よ、野鴨たれ!

キェルケゴールは『野鴨を馴らすことはできるだろう。しかし、馴らした鴨を野生に返すことはできない。また、馴らされた鴨はもはやどこへも飛んで行くことはできない』と言う言葉を残しています。

横田めぐみさんのお父さんである滋さんがお亡くなりになりました。日本人が本来の野鴨の精神を持っていたなら、このような結末にはなっていなかったと思います。横田滋さんのご冥福をお祈りします。

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