会社にいた頃、飲みに行くとよく若い人たちに考えるための話をしてました。その話の中でも気に入っている話のひとつを紹介しましょう。木下晴弘さんと言う方の話です。
一組の将来を誓い合ったカップルがいました。彼女の誕生日が近づいていることを知った彼は、彼女を喜ばせたいと思って一つのプレゼントを思いつきます。競争倍率30倍とも50倍とも言われる超人気の豪華客船に乗ってのディナークルーズです。
彼は何人もの友だちの協力を得て、奇跡的に2枚のプラチナ・チケットを手に入れます。サプライズにしようと思って彼女には内緒にしました。「何時にどこどこに。絶対に遅れないで」と伝えました。
ところが、誕生日当日、彼女はたわいもない理由から大幅に遅刻してしまいました。船は2人を置いて虚しく港を出て行きました。待ち合わせ場所に遅れてやって来た彼女を、彼は2枚のチケットを叩き付けて叱り飛ばします。チケットを手に取った彼女は驚き謝ります。
しかし彼は許すことなく、彼女を置き去りにして帰ってしまいました。これがきっかけとなり、そのカップルは破局を迎えてしまったのです。
さてこの話は、すごく良いことを教えてくれる話なのです。何だと思いますか?
若い人たちに聞くと、「大事な事はきちんと伝えないといけない」などいろいろ言ってくれます。しかし、なかなか意図した答えを出してくれる人はいませんでした。もっとも、この話も前回話をした納得解の問題だと思いますので、聞いた人が答えた答えが正解であって、こうでなければいけないと言うものではありません。
では、この話が意図した答えをお話ししましょう。
この話は、目的と手段について教えてくれる話なのです。もともとの目的は「彼女を喜ばせる事」だったはずです。しかし、それがいつの間にか「ディナークルーズ」になっています。
みなさんも胸に手を当てて考えてみると、思い当たる節がいくつかありませんか? 特に、苦労をしている時や、忙しい時、もともとの目的を忘れてしまって、手段であったはずの事が目的になってはいませんか?
とは言っても、手段が目的になってしまう事ってよくありますよね。そこで何とかそうならない工夫はないものかと考えた結果、良い言葉を思いつきました。それは、
「何のために」と言う言葉です。
「何のために」を繰り返すことによって、手段から目的に戻ることができます。つまり、本質を見失わずに済みます。
会議などの場でぜひ使ってみてください。きっと本質に戻って良い会議ができると思います。
60も半ばを過ぎても、「何のために」を忘れてしまいます。急がば廻れ、いいことばですよね。常に本質を追い求める姿勢… 自信ないなあ。
もともとの目的を忘れてしまうんですよね〜。
ぜひ「何のために」を活用してくださいね。
僕も、このブログを作った目的を忘れないようにします(^^)