写真は、奈良県東大寺 廣目天 2017年2月18日
「腹かいたら損」
これは宮崎弁です。標準語で言うとするならば「腹を立てたら損」です。腹かくと言う言葉のニュアンスは腹を立てると言うだけではなく、怒る、すねると言った意味合いを含んでいるように思います。
この「腹かいたら損」と言う自分にとっての名言は、子供の頃によく母に言われた言葉です。気に入らないことがあると、いじけてしまったり、すねてしまったりしたことがありました。そう言う時に、母が「腹かいたら損」と言うのです。
この年になって、この言葉の意味がよくわかるようになりました。全くその通りだと思っています。若い頃はよくキレてました。特に自分より年上の人に対して文句を言っていた記憶があります。正しいと思ったことは黙っていられない性格だったのです。
今振り返って考えると、キレるのではなくて冷静に物ごとを考えて伝えるべきであったと思います。その方が良い方向に物事が進んだのではないかと思います。キレてしまっては感情的になってしまって冷静さを欠き、相手にとってもマイナスのイメージを抱かせることになってしまうだけで良いことはなかったのではないかと思います。
唯一、人をかばってキレた場合には、そのかばった人に対してはプラスに感じてもらえたかもしれませんけれど、それも冷静に言ってかばえないわけではないので、やはり「腹かいたら損」だと思います。
今の社会、SNSを見ても、国会中継を見ても、「腹かいたら損」と言いたくなるシチュエーションがあります。
なぜ、腹が立つのかと言うと自分が思うに、相手に対する期待値と言うものがあって、その期待値に対して低い場合に腹が立つのだと思います。本当だったら、ここまでやってくれるはずなのに、あるいはここまで出来て当然なのに、こう言う回答が出来て当然なのにと言った期待に対して、期待値に達しない、意にそぐわないことをやる、あるいは違うことを言うので腹が立つのだと思います。考えようによっては、相手に対してそこまでの高い期待を抱いているからこそそうなるのです。
したがって、そう言う時には期待値が高過ぎないかを考えて、必要に応じて期待値を下げることも一つの解決策になると思います。本来は、ここまで出来る人だと思っていたけれども、実はそこまで期待してはいけない人だったのだと思って大目にみます。そうすれば腹も立たないでしょう。その上で冷静になって、期待していたことを伝える必要があれば伝えます。それが自分にとっても相手にとっても良いのではないかと思います。
腹かいたら損(腹立てたら損)
ムカっときたら、言葉を発する前に、この呪文を唱えてから発言しましょう
偉そうなことを言っているけれども、期待値を簡単に下げることが出来れば、夫婦喧嘩は起きないのです。頭では分かっているのですけれど、やっぱり「腹かいたら損」を呪文のように唱えるしかないかもしれません。